読書2010_素敵本あみこ編

みなさまあけましておめでとうございます!
このブログも、ついに更新が半年に1回程度になってきましたね……最近、もういっそ「読書記録ブログ」にしちゃおうかと考え中です。
でもそれだったらもっと本ブログっぽいデザインにしたいしなぁ。
さて、あみこの2010おすすめ本のコーナーですよ。2009は書いてなかったのを良いことに、2008年に読んだ本も混ざっているような……混ざっていないような……。

今年も素敵な本といっぱい出会いましたー!
て思ったけど、下に書き出してみたら割とジャンルに偏りが……およよ……
もうちょっと一般的な(?)文芸系も読んでるはずなんだけど。ヒットしたところだと「告白」とか「天地明察」とか「悪人」とか。なんだろうなぁ文芸系があまり心に響かなくなってきているのかしら……。



クジラ・イルカ大百科

今年買った本の中でいちばん高い。笑
もともと生き物は好きなのですが、去年はさらに、そして特に「海の生き物」への興味が一層深まった年でした。なぜかはよく覚えていません……。
それでついにこの百科事典兼写真集みたいな本を買ってしまった次第です。内容は本当に充実していて、クジラの各種類の生態や行動について詳しく知ることができるし(特にクジラの生殖行動などは興味深かった)、何よりダイナミックで美しい写真が豊富でテンションがあがります。
万人におすすめすることなどできるはずはない本ですが笑、クジラやイルカが好きな人にはとてもおススメです!!!

倒壊する巨塔

9.11事件にいたるまでの歴史を紐解いた、大変素晴らしい本。
中東諸国の独立、イスラエルの建国、グローバルジハードの誕生といった「大きな出来事」から、テロリスト(ビンラディン、ジワヒリやサイイド・クトゥブ)・それを追う米国捜査機関の個人(オニール)などの「小さな物語」まで丁寧に緻密に描いていること。
「国家と宗教の大きなうねり」「ひとりひとりの人間のちいさな波」が複雑に絡み合ってあのテロに結びついたのだということが理解でき、9.11の持つ意味が自分の中で大きく変わりました。
また、著者はアメリカ人ですが、どちらかの視点に偏ることのない客観性は見事です。
2010、最もお勧めする「読むべき」本です。


サイエンス・インポッシブル

タイムトラベルやテレポーテーションなど「SF世界の架空のできごと」が、物理学的に達成可能かどうかを、物理学者の方が丁寧に解説した本。
ちょっと難しいところもありますが、面白かったですー。


ベッドルームで群論

この本の題名を誰かに言った時、「ベッド?なんかいやらしい話ですか?」と言われたのですが、いやらしい話ではありません。笑
タイトルになっているのは、「マットレスにいつも同じように寝ていると体の形にくぼみができてしまう。それを防ぐ為にマットレスをひっくり返すが、より最適な方法でマットレスをひっくり返す方法は……?」という、群論を扱った章のこと。
群論の他にも暗号化、アルゴリズムなど様々な数学の話題が登場するが、著者がとてもチャーミングなのもあって、「数学の小難しい解説」ではなく、「暮らしの中の疑問を数学で考える」というような雰囲気になっています。
といってもやはり(わたしには)むつかしい部分もありましたが、それこそ「ベッドルームでちょっとずつ」読むのにふさわしいような素敵な本です。


美の幾何学

物理学者、数学者、絵本作家の3人が「シンメトリーの美」を、数学的に楽しく語った鼎談形式の本。この絵本作家というのは、わたしが幼少時から大好きだった「安野光雅」さんであり、それだけでわたしにとっては嬉しい本でした。
図などが多く、それだけでもじゅうぶん楽しめます。

フェルマーの最終定理

これは明らかに去年読んだ本では無いのですが、何かのきっかけで再読したらやはり超超超面白かったので載せておきます。
言うことはない、筆舌に尽くしがたい面白さ。
数学界の超難問「フェルマーの最終定理」に挑んだ数学者たちの戦いを丁寧に描き、そしてついに、その時はきた……。
ちなみに上にあげた数理本より、かなりとっつきやすい。「自分は理科とか数学とかもう死んでも嫌」という人にもおすすめできます。
こんなに面白いノンフィクションはそうはお目にかかれ無いです。今更わたしが言うことでもないけれども、必読!!


庭の時間

わたしの敬愛する料理研究家・辰巳芳子さんのエッセイです。
鎌倉のご自宅を囲む庭の四季折々が、月ごとに綴られます。
わたしは今日本で一番素敵な文章を書くのは辰巳さんだと思っているくらいで、その丁寧で愛情のこもった「日本語」は一読の価値有りです。

料理歳時記

上に書いた辰巳芳子の今は亡き母、辰巳浜子のエッセイ。
季節折々の生活と、それにあった季節の食材と、レシピと、と、今では失われつつ在る「日本の暮らし」が綴られています。
文体は浜子さんと芳子さんで似ているのですが、伝わってくる印象は全く違い、浜子さんは元気で、お茶目で、闊達な女性だったのだと察せられます。そして、時々「声に出して読みたい、覚えておきたい日本語」というべき名文が登場し、胸があつくなります。
是非多くの人に読んでいただきたい本。


女王陛下のユリシーズ号

海洋冒険小説」とも「戦争小説」とも呼ばれるが、何にせよ超名著。
イギリス海軍、老朽化の激しい巡洋艦ユリシーズ号とその乗組員たちが、「ほぼ絶対不可能」な任務をもって戦う物語。
敵はドイツの海軍、空軍、そして何より筆舌に尽くしがたいほど荒れ狂う北極海の雪嵐の猛威。
ハッピーエンドは望むべくもないが、極限状態の中での男たちの物語は本当に胸にぐっときます。
比べるのはちょっとアレかもですが、「終戦のローレライ」的な雰囲気と言えばわかるでしょうか。
とにかく面白いので是非読んでみてください◎

天冥の標

現在進行形(全10巻予定?)の物語としてはわたしが最も楽しみにしているSF小説、というか宇宙を舞台にした壮大な歴史絵巻。
SF小説故に、万人には勧められないのですが、「日本SF小説の最高峰」と言えるのではないかと思うほど猛烈に面白いです!!!!!!
1巻ごとに時代も場所も違い、これがどうやって1巻・2巻の状況につながるの!!??というところで謎がいっぱい残っていて、ああああもどかしい!!!
はやく次の巻が出ないかなぁぁぁ待ちきれない!!!!


戦闘妖精・雪風 アンブロークン・アロー

戦闘妖精・雪風<改>、グッドラック戦闘妖精雪風の続編。
正直に申し上げて一番好きなのはグッドラックですが、アンブロークンアローも面白かったです。ますます哲学の迷宮になっているので好き嫌いは別れそうですが……まぁ神林ワールドですよね。
雪風を読むとしばらく神林ワールドに入って帰って来れなくなります。
「人間って、なんだろう?機械ってなんだろう?」みたいな。答えは出ないので、ひたすらもんもんとしてしまいます。笑
これだけ読んでも「???」だと思うので、是非<改>からお読み下さい。


星を継ぐもの

SF小説の超超名著を読んでいなかった!!
これに関してはあまり言うことはないです。面白いし、最後に「答え」が出る瞬間は鳥肌がたつ。素晴らしい。
SFうんぬん関係無しに是非お勧めしたい本です。


日本人の英語

これは今まだ読み途中なので、書くのはどうかと思ったのですが、今のところ大変面白いのでお勧めします!!
外国人の著者が、日本語で、「日本人のヘンな英語」について丁寧に解説してくれる本。「なるほどー」連発です。



ではでは!!
皆様、よい2011年をお過ごしください◎