1Q84/村上春樹




新刊決定の時からものすごく楽しみにしていて、早速買って、昨日読み終わりました。

(あまり詳細なレビューを書く訳ではありませんが、全くネタバレしたくない人
もいるであろうので、このあとは「続きを読む」でどうぞ。)


















まず、わたしはそもそも音楽や本の感想を書くことが下手だけれど、こと村上春樹本に関しては特に「レビュー」などまるで書く能力がありません。
村上春樹の本は、わたしのいわゆる思春期に多大な影響を与えました。
それを鼻で笑うような人もいるでしょうけれども、紛れもない事実だし、別にそれを隠すつもりもありません。
「多大な影響」というのは、本当に「多大」なのです。
わたしは村上春樹の本を、他の本と同じようには読めませんでした。それはわたしにとって、本というよりは一つの別の世界で、わたしはあまりにも簡単にその世界にひきずりこまれてしまいました。
わたしはそれなりに自分の精神状態をコントロールするのが得意であると自負していますが、村上春樹の本だけは、なんていうんでしょう、わたしの中にある精神をコントロール不可な状態にし、わたしが普段自分の中にぐっと押し込めているにも関わらずそれをわたしの表層まで引きずり上げ、白日の元にさらすような力を持っていました。
なんというか、「めちゃめちゃにされてしまう」「混乱させられる」「別の世界まるごとに犯される」というのが一つの表現です。
なのでわたしは彼の本が「大好きです」「尊敬している」とかそういう風には言えないのですが、それでも彼の本はわたしを魅了しました。
「共振してしまう」というのがもう一つの表現でしょうか。



まぁそういう前提があってわたしは1Q84に取りかかった訳です。
感想ですが、
まずわたしはこの物語のキーとなっているヤナーチェクのシンフォニエッタ(リンク先はyoutube。1/3なので続きもどうぞ聞いてください。)を知っていました。
しかも非常に好きな曲の1つでした。なので1ページ目の1、2行目からカウンターパンチをくらった気分でした。
よくぞこの曲を選んだよ村上春樹…(偉そうでごめんなさい)。
でもわたしはもうこの話とシンフォニエッタはものすごく結びついてしまって(当たり前だけど)、なんかもう・・・映画みたい、という言葉は陳腐だけど、本当に。



まぁそれは置いておくとして、

・面白かった。
・あらゆる意味で村上春樹の王道。
・主人公が親と強い関係を持っていたりするのは初めてではないかしら。
・エンターテイメント性が今までで一番高い気がする。
・強い力がある物語である。
・色んな意味で既視感がある。
・確実に続きますよね。3、4巻がありますよね?

この物語のテーマの1つに「宗教」「祈り」「恐怖」「愛」が・・・とか言おうと思いましたが、そういう分析的なことはきっと他のもっとそういうのが上手い誰かが言うでしょう。

なんというか…いや、すごかった。噛み締めれば噛み締めるほど。何がすごいのかはうまく言えません。

上記した「めちゃめちゃにされてしまう」「混乱させられる」「別の世界まるごとに犯される」という感覚を覚えたのは久しぶりです。




ああ、なんか大した感想じゃなくて申し訳ないです。陳腐な言葉ばかりで。
それではそれでは。